マイクロファイナンス機関への調査システム
〜フィリピンフィールドワークより〜というタイトルで
プレゼンテーションが2つありました。
内容をすべてまとめるのが難しかったので、
内容についてはTwitter ID:lipjapan さんのTL、
(#LIP20100319タグ)、
オフィシャルHP等をご覧ください。
◆プレゼン1(高間さん)フィリピンに一ヶ月間滞在し、現地の調査手法を調査。
その報告。
【内容メモ】・MFI(Microfinance Investment Vehicle)調査と情報リスク
(1)MFI効率悪い。しかし、効率を上げていき、MFIの規模が大きくなれば、
自身の利益を追求し始めることがあるので、きちんとした意志が必要
(2)返済が滞る前にチェック
返済が滞れば、毎回現地に足を運ばないといけない。コストかかる。
(3)データが悪い。疑ってかかる。
情報をそのまま受け取らない。現地で確認する。
例えば、日本の金融機関などではもらったデータはそのまま使う。
MFIではデータが間違っていることがあるため、そのまま使うのはNG。
・ソーシャル・パフォーマンス・インディケーター(以下SPI)
CERISE、CGAP、RPI、MIXマーケットなどがあるが、
今はまだ開拓時代。
投資家「欲しいのは利益でなく、社会貢献をしている充実」
SPIが高いほうにお金を投資or寄付するようになる。
◆プレゼン2(菅原さん)世界標準の調査手法の確立について
【内容メモ】・「カンボジアONE」の調査では、LIPメンバーが9人、4回カンボジアへ
行き、自腹100万円以上を使った。→高コストすぎる
・統計的手法を用いて低コストの調査手法を確立する
データには情報リスクがあり、現場のカンに頼っているため注意が必要
・LIPでは以下を目標に掲げている
長期目標:世界標準の調査手法を習得
短期目標:自分たちでモデルを作る
【Q&A】
・データのクリーニングはケースバイケース。異常値を切ることは行う。
・CERISEはまだ始まったばかり。2010年6月にタスクフォースがあり、
そこで項目が確定するのでは。
・世界標準の調査手法とは、地域差・コミュニティ差があるため、
ユニバーサルは無理と考えている。単一という意味ではなく、
地域のファクターを取り込んでいきたい。
・グラミンfoundationはagentとしての役割を終え、今後はMF業界の
consultantとして業界全体のサポートを行っていくのでは。
・貧困層にお金を貸すことが債務不履行につながるとは言い切れない。
彼らは返してくる。
・貸付など…押し付けではなく、彼らのニーズに合わせてやるべき。
【全体の感想】
投資家の意見が自身と全く同じだったため、ソーシャル・パフォーマンス・
インディケーターの話がとても興味深かったです。
定量化するのはとても難しそうですが、もうすぐ項目が固まるそうなので、
注視していきたいと思います。
高間さんのプレゼンでは、パワポの色づかい、図の動かし方、
キーワードの作り方(「カリスマ牧師」など)、まとめの見せ方
(縦書きで筆文字)
など、記憶に粘る仕組みが随所にあり、
内容は難しい部分もあったのですが、大変わかりやすかったです。
自身でプレゼンを行う際にまねしたいエッセンスがたくさんありました。
LIPでは今後教育プロジェクトを行うということで、
現在活動中である国内の児童養護施設について
知ってもらうため、
映画上映会を行うそうです。
こちらについても興味を持ちました。