東京都庭園美術館で9月23日まで開催されている、
「船越桂/夏の邸宅/アール・デコ空間と彫刻、ドローイング、版画」へ
行ってきました。
東京都庭園美術館自体が、古い邸宅を改装したもので、
書斎やバスルームにに彫刻作品が展示されていて、
作品と場所が相乗効果を成しており、素敵でした。
また、学芸員のかたが、ほぼおじいちゃん・おばあちゃんに近いお歳で、
落ち着いた良い雰囲気がかもしだされていました。
庭園も緑が美しく、展示を見終わった後で、買ってきたお昼ごはんを
美味しくいただきました。
1983年ごろ〜2008年までの作品が展示されていましたが、
最近の作品のほうが好みでした。
昔の作品は、わりと普通というか、さらっと見れてしまうのですが、
最近のものは、見ていて何か違和感を感じ、何なのかよくわからない
ので、確かめるためにじっくり見る必要がある気がしてしまうのです。
それが作品の魅力につながっているのかな、と思いました。
スフィンクスシリーズでは、「見晴らし台のスフィンクス」
(スフィンクスの頭から小さいおじさんが覗いている作品)と、
「戦争をみるスフィンクス?」
(スフィンクスがしかめ面をしている作品)が気に入りました。
ドローイングについても、彫刻の元資料のような位置づけで
描かれたものが多いと思うのですが、すばらしかったです。
線が美しいですし、個人的には女性の顔が好みでした。
しかし、最も気になったのは、作品のタイトルです。
どれも美しく幻想的で、イメージをふくらませるのに十分すぎる
ものでした。
「肩で眠る月」「水に映る月食」「雪の上の影」「夜は夜に」など。
どれもひとつ物語ができそうです。
併設のカフェでは、作品の製作過程のビデオが上映されていました。
時間の都合でちらりとしか見ることができなかったのですが、
そちらもご覧になることをおすすめします。