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評価:
ジーン・アウル
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読んでいると、深く深くこの物語の世界へ引き込まれます。
モグールとエイラが意識を融合させ、過去〜未来へと旅をする(?)
シーンは圧巻でした。これこそ、映画化してほしい作品です。
物語ですが、ブラウド(一族の首長の息子)の仕打ちがひどすぎます。
リーダーとしての素質ゼロ。種族は滅びるに違いありません。
長年積もり積もった身勝手な妬み、恨みからエイラを辱め、
さらにはエイラを息子を引き離し、村から追放。
同じ女性として、エイラが不憫でなりません。
ブルン(ブラウドの父で一族の首長)ははじめはエイラを恐れていたが、
最後にはエイラを自分の息子であったら良かった、とまで褒め称える。
うるっときました。
あと、ブラウドの妻にも感動。それまで口答えひとつしなかったけれど、
エイラの息子に乳を与えるのを許さないブラウドに対して、
「女が乳を与えるのは女の権利だ、それは誰にも邪魔させるわけには
いかない。相手があなたであっても。」というようなことを言います。
女は何があっても子を育てる。強い!と思えた場面でした。
そしてエイラの「現在の困難はそれに打ち勝つためにある、困難に
勝てばきっと、輝く未来が待っている」のようなことをつらいときに
じっと自分に言い聞かせていたのが印象的でした。
起きていることはすべて正しく、つらいことがあっても、次に来る
喜びのためにそれはある、というエイラの姿勢に共感することしきりでした。
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